先日、といってももう10日ほど前になるが、来年度の県内公立高等学校の入学定員が発表になった。
予想通り地元M高校は1学級減。
生徒数の減少で仕方のないところではあるが、それにしてもなんとか定員維持ができなかったのか、残念である…
と考える人が多いだろうが、私はそうは考えていない。当たり前のことなのに皆があえて目を背けているのか、または本当に気がついていないのか分からないが(おそらく後者じゃないかな)、志願者が少ないのであれば、過去の受験生との整合性を保つためにも定員削減は当たり前である。
『これじゃあうちの子が高校に行きにくい』とか『この年の子(要は自分の子供)が可哀想』とかの批判はまったくの的外れであるのがおわかりだろうか。心配している保護者の方々、ご安心くださいませ。
それよりも問題なのはM高校の目を覆いたくなるような極端な学力低下である。
この原因はただひとつ、分かりやすく、M高校がM高校だからである。
かつて15年ほど前、国公立大学合格者が40名ほどあった時代(そんなときがあったのですよ!信じられますか!)はまだ何とか機能していた進路指導・教育も今では崩壊状態である。
何故か?
M高校が農業科1クラスと普通科の学校だからである。
中学生が特に頑張らなくても皆同じ進路を選択できるからである。
そんな状況で中学生が勉強すると思いますか?
さらに、『水が低きに流れる』ように学力も『低きに流れる』のである。
『悪貨が良貨を駆逐する』と行っては言い過ぎかもしれないが、自分の周辺に勉強しない同じ学科の生徒がいればその子達に引っ張られて勉強しなくなることが多い。
朱に交われば赤くなるのである。
人は下を見て安心する生き物なのである。
本人は努力しているつもりでも他地域から見ればそんなものは努力でも何でもないことが多い。下を見て安心しているから。
M高校の大学合格体験記のようなものを初めて見てびっくりしたのは、『3年の夏休みや休日には毎日10時間勉強した!』と書いてあること。
受験生がたったの10時間で『自分はよくやった!』と褒めているのである。
そんなもの少ないに決まっているじゃないですか!
考えてみてください。1日は24時間、6時間寝るとして残りは18時間。食事や入浴、トイレ等にかかるのは計2時間ほどであろうか、これで残りは16時間。
16時間のうちたった10時間でよくやったと思っているのですよ!
それで受験生だと自分で言うことを恥ずかしく思わないのだろうか。
さらに言えば、高校3年生が受験生だと思っている生徒が多いのにも呆れ返る。
受験生とは大学進学を目指している生徒のことである。
学年は関係ない、たとえ小学生でも大学進学を考えていればもう立派な受験生である。
何も小学生のうちから大学受験の問題を解けとか、私立の有名進学校を目指せとか言っているのではない。
その意識を持って日頃から行動せよと言っているのである。
都会では小学校の時から私立の6年生中高を目指し、そこで効果的な学習指導のもとで最終学年の一年間を丸々受験対策に当てられるような生徒と入試で争わねばならないのに、高3になってからが受験生だと、そこからが受験勉強だと…
もう笑って呆れてしまう。
大学進学が正義ではない。高校や大学に進まずに立派に生きている人も大勢いる。本当に立派なことである。
そんな中、大学を目指している諸君にはやるべきことがあるだろうと言っているのだ。
人それぞれが自分の持ち場で頑張らなければならない。大学を目指す人はそこで頑張らなくていつ頑張るのか。
最後に一言。
勉強と部活動の両立はありえない。
もし両立できたと思っているのなら、それはどちらも中途半端にあやふやにしてなんとかそこそこの成果を出すことができただけである。
ましてやM高校のような真面目に進学を考えている生徒とそうでない生徒が混在する学校では、顧問は生徒の学習時間を考慮しない。
考慮したとしてもそれは過去に超人的な努力をしてなんとか成果を出したOBの例を引いているだけである。
今回は過激でした。もしかしたらあとで削除するかもしれません。