1学期の期末考査も終わり、夏休みまで残りわずかとなりました。小学生にとっては待ちに待った夏休み、中学生(1,2年生)にとっては部活動三昧の夏休み、中学3年生には受験に向けての総復習の夏休み、高校生(1,2年生)にとっては課外・補習で潰れる夏休み、高校3年生には…今後の人生を左右する夏休みといったところでしょうか。
『受験生』という言葉があります。世間一般では中学3年生や高校3年生を指す言葉ですが、本当にそうでしょうか?これをそのまま捉えると『受験勉強は3年生になってから始めるもの』となりますが、もちろん、当然、当たり前にそれでは遅すぎます。
私が入試に挑んだ数十年前は中高一貫校は県内に愛光くらいだったのですが、今では済美平成、新田青雲などが開校しております。これらの学校では高2までに高校履修内容を終わらせ、高3の1年を受験の準備に当てることができます(宇和島南などの県立中高一貫校ではそのようなシステムは取りづらいようですね、公立校の限界でしょう…)。当塾の塾生の多くが通う南宇和や宇和島東では高3になってもまだ通常の授業をやることになりますから、受験勉強と言われるものを並行して行うことは非常に困難です、というより無理と言わざるを得ません(このあたりの時代の変化に気づいていない保護者世代が多いように思います。その世代の宇和島東・南宇和は今と違ってそれなりの進学実績を残していましたから)。
それではどうやって受験に臨めばいいのでしょうか?答えはただ一つ、『日々の学習をそのまま受験に直結させる』しかありません。あとになって見返す、やり直す時間的余裕がないならば、その日そのときに学習内容を定着させるしかありません。
ここからは数学に限定しての話になります。
数学において高校生が最も苦労することは(ほとんどの高校生がその事に気がついていないのですが)『答案を作る』ことができないことです。ただの数式の羅列、ひどい場合はメモのようなもののみを残し最終的な答えのみを記述して終わらせる…。数学の解答欄は計算用紙ではないことを知らないのでしょうか。答案の重要性に気がついていないから、私が課す宿題の訂正も答案の書き方へのチェックが全くできていない状況です。
『受験の月(https://examist.jp/)』というサイトに『大学入試数学の採点基準(https://examist.jp/mathematics/general/scoring-system/)』というコーナーがあります。ここには大学入試の採点について大学の担当者による注意点が挙げられています。以下、主なものを抜き出してみます。
・最終的な答えとは関係のない部分での計算ミスなども含めて、答案に書いてあるものはすべて目を通し、間違いがあれば減点する。
・字が薄かったり小さい答案は、細心の注意を払って採点しても見落とす可能性がある。読めないものは、書いてないものと判断する。
・論理を重視し、時間をかけて厳密に採点する。紙に書いてあるものだけで判断する。
・最後の答えがあっているだけで完答できたと考えている受験生が多いが、たいてい満点ではない。
・予備校の模試の採点は、本番に比べると極めていい加減である。実際は、論理力・表現力を重視して採点しているので、単純にここまでで何点というものではない。
・易しい問題では論理の不備や説明不足があると0点になる。
・説明や途中計算が不足している解答は答えが合っていても減点する。
・問題にはなるべく図を入れず、受験生が問題から読み取り表現する能力を試したい。
・総合型選抜や学校推薦型選抜で合格した受験生は基礎学力が低く入学後苦労する。理系なら数Ⅲくらいは理解しておくこと。
・入試は大学での学習に十分な力があるかを判定する場であるから、答案が指導要綱に適合しているかはどうでもよい。
・もう一度大学に入り直す人もいるのだから数学的に正しいならば高校範囲外の知識を用いてもよい。実際には答案の流れを見て判断する。とにかく、内容が読み手に伝わり、使い方が正しいことが大切である。
・採点者は数学のプロなのでごまかしてもすぐにバレる。
・採点者は「何とか点をあげよう」という優しい人達である。しかし、それができる答案が・・・
・答案は丁寧に書いて欲しい。6とbや9とqが区別できないのは困るし、本人も間違えている。
他にも受験に際して有益な事項を掲載してありますので、是非目を通してほしいと思います。個人的には推薦入試について触れている部分について完全同意いたしますね。推薦入試なんてなくなればいいのに…。
さて皆さん、夏休みをどのように過ごしますか?お手伝いできることがあればできる範囲で協力しますので遠慮なくお申し出ください。