2024/02/16

受験生とは…

『受験生』という言葉を聞いて皆さんはどの学年が思い浮かぶでしょうか?一般的には高校受験の場合は中学3年生、大学受験の場合は高校3年生を指す言葉と思う方がほとんどでしょう。実際「あ~、私も4月からは受験生か…」と言うのをよく聞きますし、メディアなどでもそのような表現を見る機会が多いです。

でも本当にそうなのでしょうか。

大学受験について考えてみましょう。前回の塾だよりでも触れたように、大学入試には『総合型選抜』『学校推薦型選抜』『一般選抜』の3種類があります。簡単にこの違いについて触れると、総合型選抜は受験生がやる気・意欲を自己アピールし大学側が入学の可否を判断するもの、学校推薦型選抜は高校での成績を元に学校長の推薦を得て面接や小論文、少数教科のテストを受けて判断の材料とするもの、一般選抜は国公立ではほぼ全教科、私立では1~3教科のテストが判断材料となるものです。

どのような準備が必要になるのか、一つずつ考えてみましょう。

総合型選抜ではまず初めに大学学部が求める学生像(アドミッション・ポリシー)を理解することから始まります。これが自分の特性と合致していないと合格は難しくなります。さらに最近は高校での成績(評定平均あるいは平均評定と呼ばれるもの)に基準(下限)を定める大学も増えています。そのため、定期考査での成績を上げなければならず、『平均』という言葉が含まれているように高1からの平均となりますから、高2あるいは高3で頑張っても高1での失敗をカバーするには限界があります。また、英検などの資格が出願基準となっている場合も多く、資格取得等に時間を割くことになります。自己アピールの準備にも相当の時間が必要ですし、アピールできる自分を作り上げていかなければなりません。

学校推薦型選抜も同様で、出願に必要な評定平均に基準がある以上、その基準を満たすだけの成績が必要となり、上記と同様平均ですから高1時点での成績も重要なものとなります。

一般選抜では上記の2つほどは評定平均は重視されません。出願に評定平均の基準はありませんし学校の成績より入試の点数による評価です。時折「入試の出題範囲に高1の学習内容は含まれますか?」というピントの外れた質問を受けることがありますが、当たり前のことですが小学校から学習してきたすべてが出題範囲です。

さて、これらの評価基準から見て、高3の1年間の準備で合格が可能でしょうか。

総合型選抜・学校推薦型選抜は長期的な準備が必要なのは自明の理であり、一般選抜では出題範囲が広いことにより1年間という短い準備期間では対応できにくいのです。

タイトルの『受験生とは…』に戻りますが、大学(あるいは高校)への進学を希望した時点でその生徒は受験生なのです。その時点で受験勉強を始めるという意味ではなく、早期に情報収集し、今何をするべきか、何が必要なのか、今の自分に何が足りていないのかを判断・整理し、準備をする必要があります。入試までの残された期間に何ができるのか、時間は足りるのか、このままの状態で時間が足りないとなるとどこで時間を作るのか、何を削るのかを冷静に判断しなければなりません。

おそらく当塾の塾生の皆さんは大学進学希望だと思います。そう、あなたたちは皆、学年に関係なく『受験生』なのです。私は小学生や中学生にも大学入試の話をすることがありますが、それはあなたたち受験生に早めに実情を知ってもらい考えてほしいからです。

あなたは今何をするべきだと思いますか。真剣に考えてください。