2023/01/11

明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いします。

さて、前回予告したように今回は大学入試のシステム・制度とその対策についてお話していきます。

大学入試の制度は大きく分類して「総合型選抜」「学校推薦型選抜」「一般選抜」の三つがあります。

「一般選抜」はその名の通り従来からある学力試験による選抜方法で、大学入試といえばこれだというくらい最も馴染み深いものです。

「学校推薦型選抜」は高校長が在学中の成績をもとに推薦することにより受験でき、文部科学省の方針によりある程度の学力試験を課すことが多く、国公立大学では大学入学共通テストの受験・成績を求められる場合もあります。

最も分かりにくいのが「総合型選抜」で、大学で学ぶ意欲が重視され、各大学のアドミッションポリシーに合致した受験生が面接やプレゼンテーションでの自己アピールによって合否が決定します。

ただ、私立大学では学校推薦型選抜は「指定校推薦(高校で推薦されればほぼ100%合格が決まる)」と「公募推薦(在学中の成績などの基準を満たせば誰でも受験可能)」の2つに分かれ、学生の確保が困難な学校ほど指定校推薦を多く取り入れている傾向にあります(基本的に国公立大学に指定校推薦の制度はないと考えてください)。それ以外の特殊な例として「スポーツ推薦」的な制度を持つ私立大学もあります。

ではその対策はどうすればいいのでしょうか。

一言で言えば「学校推薦型選抜」対策は校内の定期テストで高得点を上げることであり、「一般選抜」対策は日々不断の努力を積み重ねることです。

定期テストは試験範囲も狭く、私が最も忌み嫌う(ここはかなり強調しておきたい!)「一夜漬け」や「一週間漬け」の勉強でもそれなりに点数を取ることができます。75~80点取れば評定5をもらうことができるので睡眠不足と戦いながら勉強する価値はあるでしょう。それに対して「一般選抜」は高3までの学習内容が試験範囲となるのですから、「一週間漬け」どころか「一か月漬け」や「二か月漬け」でも対策は難しいでしょう。ましてや私立中高一貫校で6年かけてじっくり受験対策をするという世の中の流れから取り残された田舎の高校生は高校入学時から目標を持って継続した学習が必要とされます。

ここまでの話だと、「一般選抜は対策が難しそうだから学校推薦型選抜を狙って大学進学したほうがいいのではないかな…」と考える人が多いのではないかと思いますが、本当にそれでいいのでしょうか?

最近は一般選抜以外の入試制度の合格定員も増加傾向にありますが、まだまだ少数派といえます。もし学校推薦型選抜で不合格になった場合、一般選抜での合格を目指すことになるのですが、ほとんどの受験生は学力不足により失敗することが多いです。なぜでしょうか?それは一般選抜に向けた対策を全く取っていないからです。日々継続した学習をせず、定期テストのときだけ徹夜してその場しのぎの学習をする…そんな方法で学力がつくと考えている方がいるとしたらその頭の中を覗いてみたいものです。

ですから学校推薦型選抜による合格を目指すのは、極端に言えば購入した宝くじが当たることを期待して家を買う契約をするようなものだと言えます。目指すは一般選抜での合格であり、学校推薦型選抜は利用できるならラッキー、合格すればもっとラッキーという考え方で対策を進めるべきです。

では具体的にはどのような対策をとるべきか、となりますが、これには皆さんが受けている模擬試験を活かす事が重要です。それも試験前に過去問で対策を立てるのはあまり意味がなく、試験後に見つかった自分の弱点を補強していくことが重要です。入試で求められるのは(特に国公立大学では)総合的な学力であり、得意分野・教科での成績ではないのですから。まあ、過去問による事前の対策も合格判定を上げて自信を得るという点においてのみは意味があるかもしれませんが…。

そう考えていけば、志望大学合格を目指すのであれば短い高校生活において何に重点を置いて過ごすべきかが見えてくると思います。時間は限られているのですからあれもこれもやりたいことをすべて、というのは無理ですよ。